人間とは、果たしてどんな存在でしょうか。
日本人初のノーベル物理学賞を受賞された湯川秀樹博士は、
「私にとって最大の問題は物理学ではない、それは私自身である。この私という存在が、どこから来て、どこへ行くのか、それが問題である。」
と言われました。
これは湯川秀樹博士だけが考える問題ではなく、じつは誰でも一度は深く考えることでしょう。
そして誰もわからないのです。
第三章 人 間
人々は、自分がどこから来て、何のために生き、どこへ行くのか知らずに、この世にある物のみに従って、さまよい生きています。
しかし、イエス・キリストを迎え入れる人には、人生におけるこの根本的な問題に対する明確な答えを得るようになります。
この世に存在するすべてのものには、その起源があります。
私たち人間はもちろんのこと、私たちがこの世に生きている間中、おかし続ける罪もその起源を持っています。
ここでは人間の起源、罪の起源、それから罪の結果について聖書から探って見ましょう。
第三章 第1課 【人間の起源】
◎ 人間の創造
1.人間は神のかたちに創造された。(創造の第6日目)
[ 神はこのように、人をご自身のかたちに創造された。神のかたちに彼を創造し、男と女とに彼らを創造された。]
(創1:27)
人間は、知、情、意を持った人格的存在です。
人間は道徳的存在です。
人間は霊的存在です。
*被造物のなかで、神さまの姿に似せて造られた人間だけに神さまとの直接的な交わりが許されています。また神さまの姿はひとり子イエスによって、最も良く現されます。
[ 御子は、見えない神のかたちであり、造られたすべてのものより先に生まれた方です。]
(コロ1:15)
2.人間は神さまに栄光を帰するために創造されました。
[ わたしのために造ったこの民はわたしの栄誉を宣べ伝えよう。]
(イザ43:21)
3.神さまは人間のためにエデンの園をお造りになり、すべてのものを備えられました。
[ 神である主は、東の方エデンに園を設け、そこに主の形造った人を置かれた。]
(創2:8)
4.人間の創造の方法とその意味
[ その後、神である主は、土地のちりで人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き込まれた。そこで、人は、生きものとなった。]
(創2:7)
◇ 創造方法
・ アダム
土地のちりで形造られた後、いのちの息を吹き込まれる。
意味:神さまの姿に似せて造られた管理者
・ エバ
アダムのあばら骨で造られる。
意味:アダムにふさわしい助け手であり、連合の関係である。
◎ 神さまが人間に与えられた祝福
[ 神はまた、彼らを祝福し、このように神は彼らに仰せられた。「生めよ。ふえよ。地を満たせ。地を従えよ。海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を支配せよ。」]
(創1:28)
1.子孫の繁栄
2.環境の支配権
3.自然界に対する統治権
♪ Praise Time 賛美 「Praise His Name」をどうぞ!
第三章 第2課 【人間の堕落】
◎ 神さまとアダムの間に結ばれた契約
[ 神である主は、人に命じて仰せられた。「あなたは、園のどの木からでも思いのまま食べてよい。しかし、善悪の知識の木からは取って食べてはならない。それを取って食べるその時、あなたは必ず死ぬ。」
(創2:16~17)
1.契約の内容
神さまは人類の代表者であるアダムが、エデンの園で、幸福に暮らし続けるため「善悪の知識の木」に対する禁止命令を出されました。
この禁止命令は、神さまの絶対的主権を象徴し、また、人間が神の言葉に従順するかどうかを判断するものとして、重要な意味をもちました。
2.神さまは人間に自由意志を与えてくださいました。
人間は自分の自由意志によって、選んだり決めたりすることが出来ます。
しかし人間は自分が選択したことについて責任を持たなくてはなりません。
これは、人間が自分の自由意志で、神さまの命令に従順すると永遠に生きるという約束でもあります。
◎ 罪の起源と人間の堕落
1.罪の起源は、神さまの前で高慢の罪を犯した悪い天使が堕落してできた「サタン」から由来します。
[ わたしはあなたを油そそがれた守護者ケルブとともに、神の聖なる山に置いた。あなたは火の石の間を歩いていた。あなたの行ないは、あなたが造られた日からあなたに不正が見いだされるまでは、完全だった。あなたの商いが繁盛すると、あなたのうちに暴虐が満ち、あなたは罪を犯した。そこで、わたしはあなたを汚れたものとして神の山から追い出し、守護者ケルブが火の石の間からあなたを消えうせさせた。]
(エゼ28:14~16)
[ 神は、罪を犯した御使いたちを、容赦せず、地獄に引き渡し、さばきの時まで暗やみの穴の中に閉じ込めてしまわれました。]
(Ⅱペテ2:4)
2.人間はサタンの道具として使われた蛇の誘惑に陥り、神さまの命令に逆らって「善悪の知識の木」の実を取って食べ、罪を犯し、堕落したのです。
[ そこで、蛇は女に言った。「あなたがたは決して死にません。あなたがたがそれを食べるその時、あなたがたの目が開け、あなたがたが神のようになり、善悪を知るようになることを神は知っているのです。」そこで女が見ると、その木は、まことに食べるのに良く、目に慕わしく、賢くするというその木はいかにも好ましかった。それで女はその実を取って食べ、いっしょにいた夫にも与えたので、夫も食べた。]
(創3:4~6)
* 最初の罪の性質
① 霊的高慢
② 神さまに対する不信仰
③ 貪欲
3.善悪の知識の木の実を取って食べた後、人間が真っ先に知るようになったのは羞恥心と罪責感でした。
[ このようにして、ふたりの目は開かれ、それで彼らは自分たちが裸であることを知った。そこで、彼らは、いちじくの葉をつづり合わせて、自分たちの腰のおおいを作った。]
(創3:7)
◎ 堕落の結果
1.霊と肉体の永遠の死
堕落した人間は、まず霊が死に、神さまとの関係と交わりが断絶され、エデンから追い出されて、ついには肉体に死が訪れました。
[ しかし、善悪の知識の木からは取って食べてはならない。それを取って食べるその時、あなたは必ず死ぬ。」]
(創2:17)
[ あなたは、顔に汗を流して糧を得、ついに、あなたは土に帰る。あなたはそこから取られたのだから。あなたはちりだから、ちりに帰らなければならない。」]
(創3:19)
* [ アダムは全部で九百三十年生きた。こうして彼は死んだ。](創5:5)
人類最初の人アダムの死は、じつに900年以上後に訪れました。「あなたは必ず死ぬ。」と言われてから900年以上の時を生きたのですから、天地創造の御業は完全に完璧だったのです。
2.人間は神さまの姿を失って、善を行う意志と能力も腐敗してしまいました。
[ 人の心は何よりも陰険で、それは直らない。だれが、それを知ることができよう。わたし、主が心を探り、思いを調べ、それぞれその生き方により、行ないの結ぶ実によって報いる。]
(エレ17:9~10)
3.呪いと病
産みの苦しみが生じ、地はいばらとあざみを出すようになりました。
[ 女にはこう仰せられた。「わたしは、あなたのみごもりの苦しみを大いに増す。あなたは、苦しんで子を産まなければならない。しかも、あなたは夫を恋い慕うが、彼は、あなたを支配することになる。」]
(創3:16)
[ 土地は、あなたのために、いばらとあざみを生えさせ、あなたは、野の草を食べなければならない。]
(創3:18)
聖歌476番 やすけさは川のごとく をどうぞ。
“It Is Well With My Soul”
第三章 【罪の普遍性】
◎ 罪とは何でしょう
罪というのは、父なる神に逆らった結果、人間が父なる神から離れて生じたものです。
1.神さまの律法に従わないのが罪です。
[ 罪を犯している者はみな、不法を行なっているのです。罪とは律法に逆らうことなのです。]
(Ⅰヨハ3:4)
2.神さまの義を行わないのが罪です。
[ 不正はみな罪ですが、死に至らない罪があります。]
(Ⅰヨハ5:17)
3.神さまを信じないのが罪です。
[ 罪についてというのは、彼らがわたしを信じないからです。]
(ヨハ16:9)
4.善を知りながら行わないのが罪です。
[ こういうわけで、なすべき正しいことを知っていながら行なわないなら、それはその人の罪です。]
(ヤコ4:17)
◎ 罪の二つの種類
1.原罪
人類の祖先であるアダムとエバが犯した罪によって、罪の責任と汚染が永久に力をもってすべての人類に遺伝されました。
アダムの子孫であるすべての人類は、誰ひとり例外なしに、罪をもって生まれてくるので死なざるを得ません。
[ そういうわけで、ちょうどひとりの人によって罪が世界にはいり、罪によって死がはいり、こうして死が全人類に広がったのと同様に、――それというのも全人類が罪を犯したからです。]
(ロマ5:12)
2.自犯罪
すべての人は行いの罪ばかりでなく、内的にもあらゆる罪の本姓をもっています。
人々は一生の間に数え切れない罪を犯します。
[ すべての世にあるもの、すなわち、肉の欲、目の欲、暮らし向きの自慢などは、御父から出たものではなく、この世から出たものだからです。]
(Ⅰヨハ2:16)
♪ Praise Time 賛美 「Total Praise」をどうぞ
【考えましょう】
聖書のローマ人への手紙11章36節を見ると、
[ というのは、すべてのことが、神から発し、神によって成り、神に至るからです。どうか、この神に、栄光がとこしえにありますように。アーメン。]
と書いてあります。
この言葉から、私達は、私たちの人生が神さまから出てきて、神さまの栄光のために生き、神さまに帰っていくものであるということが分かります。
1.イエスさまを信じる前、あなたの人生の目的は何でしたか。
2.あなたは、自分が神さまの御前で完全でなく、罪人であることを告白できますか。
3.それならあなたはこれからどのように生きていこうと決心しますか。
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