クリスチャンが信じる対象は神さまです。
ですから、私たちは神さまについてよく知らなければなりません。
神さまがどんな方であるか正確に知って信じるとき、私たちの信仰は正しく成長するのです。
◇◆ 第二章 神さまはどんなお方 ◇◆
父なる神さまは、唯一なるまことの神さまであり、私たちの礼拝の対象です。
神さまは本質的には「お一人」であられますが、「父、子、聖霊」の三つのかたち(三位)で存在しておられます。
この三位はそれぞれが「完全な神さま」でいらっしゃいますが、お互いの仕事に協力し合い、参加し、一体として働かれる永遠なる唯一の神さまなのです。
第二章 第1課 【良き神さま】
◎ 私たちは神さまが存在するということを、どのようにして知ることが出来るでしょうか。
1.自然を通して知ることが出来ます。
[ 神の、目に見えない本性、すなわち神の永遠の力と神性は、世界の創造された時からこのかた、被造物によって知られ、はっきりと認められるのであって、彼らに弁解の余地はないのです。]
(ロマ1:20)
2.私たちの良心を通して知ることが出来ます。
[ というのは、不義をもって真理をはばんでいる人々のあらゆる不敬虔と不正に対して、神の怒りが天から啓示されているからです。なぜなら、神について知りうることは、彼らに明らかであるからです。それは神が明らかにされたのです。] (ロマ1:18~19)
3.イエスさまを通して知ることが出来ます。
[ イエスは彼に言われた。「ピリポ。こんなに長い間あなたがたといっしょにいるのに、あなたはわたしを知らなかったのですか。わたしを見た者は、父を見たのです。どうしてあなたは、『私たちに父を見せてください。』と言うのですか。]
(ヨハ14:9)
4.聖書を通して知ることが出来ます。
[ 聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益です。]
(Ⅱテモ3:16)
◎ 神さまの本質
1.神さまは霊です。
[ 神は霊ですから、神を礼拝する者は、霊とまことによって礼拝しなければなりません。]
(ヨハ4:24)
2.神さまは造り主です。
[ 初めに、神が天と地を創造した。](創1:1)
神さまは宇宙万物を御言葉で創造されました。
神さまはすべての被造物を、神さまの絶対主権で統治され、保存されます。
3.神さまは自ら存在される方です。
[ 神はモーセに仰せられた。「わたしは、『わたしはある。』という者である。」また仰せられた。「あなたはイスラエル人にこう告げなければならない。『わたしはあるという方が、私をあなたがたのところに遣わされた。』と。」]
(出3:14)
神さまは御自身のことを「私は在りて、在るもの」といわれました。
“I am that I am.”
その意味は”自存性”(Self-existence)即ち、その存在が誰か他によったものでないこと。
そして”永遠性”を示しているのです。
←―――――― 神さま(無限なる存在)――――――→
永遠 ―――― ←――――――――――→ ―――― 永遠
被造物(有限なる存在)
4.神さまは人格を持っておられる方です。
神さまは知、情、意を持っておられます。
◎ 神さまの性質
◆ 一般的性質
普遍であること
永遠であること
偏在であること
全地であること
全能であること
◇ 普遍的性質
善であること
聖であること
義であること
愛であること
真実であること
神さまはこのように完全な品性をもって、私たちを本当に愛してくださる良き神さまです。
第二章 第2課 【イエス・キリスト】
◎ イエスさまはどんなお方でしょうか
[ キリストは、神の御姿であられる方なのに、神のあり方を捨てることができないとは考えないで、ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられたのです。キリストは人としての性質をもって現われ、自分を卑しくし、死にまで従い、実に十字架の死にまでも従われたのです。]
(ピリ2:6~8)
1.まことの神さまです。
イエスさまは神さまの特徴を持っておられます。
イエスさまが聖霊によって処女マリアに宿られ、お生まれになった事実は、イエスさまが全能の神であることを証明します。
イエスさまは自然法則と人間の限界を超える奇跡を行いました。
イエスさまは死んで葬られて3日目に復活し昇天されました。
2.まことの人です。
イエスさまは肉体を持っておられ、私たちと同様に成長し、身体の苦痛をも感じられました。
イエスさまは人間の喜怒哀楽を持っておられました。
イエスさまは私たちと同じ人間性を持っておられましたが、私たちとは違って、罪はありませんでした。
[ 神は、罪を知らない方を、私たちの代わりに罪とされました。それは、私たちが、この方にあって、神の義となるためです。]
(Ⅱコリ5:21)
◎ イエスさまが人として来られた目的
1.私たちの罪を贖い、救い出すため、人となられました。
[ その翌日、ヨハネは自分のほうにイエスが来られるのを見て言った。「見よ、世の罪を取り除く神の小羊。]
(ヨハ1:29)
2.神さまを啓示するため、人となられました。
[ いまだかつて神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神が、神を説き明かされたのである。]
(ヨハ1:18)
3.私たちに永遠の命を与えるため、人となられました。
[ 神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。]
(ヨハ3:16)
◎ イエスさまはこの世に来て、何をなさったのでしょうか。
1.福音(良い知らせ)を宣べ伝えられました。
2.弟子たちを教えられました。
3.悪霊を追い出し、病の人たちを癒されました。
4.祈られました。
5.神さまの御心に完全に従順し、従われました。
6.私たちを救うために十字架に釘付けられ、死なれました。
7.死んだ後、3日目に復活されました。
8.神さまの御国に昇天されました。
9.この世に再び来ることを約束されました。
* イエスさまの3大職務
預言者:神さまの御言葉の代弁者
祭司長:神さまと人間との間の仲介者
王 :この世の永遠の統治者
♪ Praise Time 賛美 「Above all」をどうぞ
第二章 第3課 【助け主なる、聖霊】
◎ 聖霊さまはどんなお方でしょうか。
1.助け主です。
[ しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、また、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます。](ヨハ14:26)
”助け主”とは、苦境に陥った人を助けるために、そばに来て、その人のために、弁護し、励まし、嘆願することによって、その苦境に打ち勝つようにさせる方という意味です。
2.神さまです。
聖霊さまは神さまの属性をすべて持っておられます。
聖書は聖霊さまが神さまであると証明しています。
[ そこで、ペテロがこう言った。「アナニヤ。どうしてあなたはサタンに心を奪われ、聖霊を欺いて、地所の代金の一部を自分のために残しておいたのか。それはもともとあなたのものであり、売ってからもあなたの自由になったのではないか。なぜこのようなことをたくらんだのか。あなたは人を欺いたのではなく、神を欺いたのだ。」
(使5:3~4)
3.人格者です。
聖霊さまは知性をもっておられます。
[ 神はこれを、御霊によって私たちに啓示されたのです。御霊はすべてのことを探り、神の深みにまで及ばれるからです。]
(Ⅰコリ2:10)
聖霊さまは感情をもっておられます。
[ 神の聖霊を悲しませてはいけません。あなたがたは、贖いの日のために、聖霊によって証印を押されているのです。]
(エペ4:30)
聖霊さまは意思をもっておられます。
[ しかし、同一の御霊がこれらすべてのことをなさるのであって、みこころのままに、おのおのにそれぞれの賜物を分け与えてくださるのです。]
(Ⅰコリ12:11)
◎ 聖霊さまのなさる働き
1.聖霊さまは次の3つのことを明らかにしてくださいます。
対象 | 明らかにされること |
罪 | イエス・キリストの救いを受入れない不信仰の罪 |
義 | キリストを信じずに、人間の行為で義に至ろうとする高慢 |
さばき | この世で悪い働きをしている悪魔に対するさばき |
[ その方が来ると、罪について、義について、さばきについて、世にその誤りを認めさせます。](ヨハ16:8)
2.聖なるものとしてくださいます。
私たちが神さまを喜ばせ、神さまの御旨をなすことに関心と目的を置く時、聖霊さまは私たちを導いて、義と聖潔の実を結ばせてくださいます。
[ あなたがたの中のある人たちは以前はそのような者でした。しかし、主イエス・キリストの御名と私たちの神の御霊によって、あなたがたは洗われ、聖なる者とされ、義と認められたのです。]
(ヨハ16:8)
3.真理を教えてくださいます。
聖霊さまは神さまの御言葉を土台として、私たちの信仰と人格を訓練してくださいます。
4.導かれます。
聖霊さまは全能なる力で、私たちを真理に導いてくださいます。
[ しかし、その方、すなわち真理の御霊が来ると、あなたがたをすべての真理に導き入れます。御霊は自分から語るのではなく、聞くままを話し、また、やがて起ころうとしていることをあなたがたに示すからです。]
(ヨハ16:13)
* 聖霊さまから導きを受ける姿勢
① この世的な生き方を捨てるべきです。
② 自分の全存在を徹底的に聖霊さまに委ねるべきです。
③ 聖霊さまが導き働いてくださることを信じ、期待すべきです。
5.慰められます。
聖霊さまはどんな困難と苦難にも打ち勝つことのできる、慰めと新しい力をくださいます。
[ 御霊も同じようにして、弱い私たちを助けてくださいます。私たちは、どのように祈ったらよいかわからないのですが、御霊ご自身が、言いようもない深いうめきによって、私たちのためにとりなしてくださいます。]
(ロマ8:26)
◎ 聖霊さまのバプテスマ
聖霊のバプテスマとは、新生した人が自分自身の中に臨まれる聖霊の力にとらえられる、初めての霊的体験のことをいいます。
* 聖霊のバプテスマの証拠
罪を悔い改め、イエスさまを救い主として信じ、生まれ変わった人に聖霊さまは臨みます。
① 心の中に平安と喜びがみちます。
② 聖霊の賜物を贈り物として受けます。
③ 伝道と祈りに励みます。
④ 奉仕が楽しく、全てのことに感謝します。
⑤ 聖霊の実を結び、キリストに似た者とされます。
第二章 第4課 【三位一体の神さま】
◎ 唯一なる神さま
1.神さまご自身が、御自身のことを唯一なる神であって、他に神はいないと言われました。
[ 聞きなさい。イスラエル。主は私たちの神。主はただひとりである。心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。]
(申6:4~5)
[ わたしが主である。ほかにはいない。わたしのほかに神はいない。あなたはわたしを知らないが、わたしはあなたに力を帯びさせる。]
(イザ45:5)
2.イエスさまも神さまは1人しかいないと言われました。
[ イエスは答えられた。「一番たいせつなのはこれです。『イスラエルよ。聞け。われらの神である主は、唯一の主である。]
(マル12:29)
◎ 三位一体の神さま
1.三位一体とは
神さまは本質上お一人ですが、このお一人なる神さまの内に父、子、聖霊とよばれる三位が存在します。
このようにお一人なる神さまに三位が存在することを、三位一体といいます。
三位はその人格において完全に独立した存在ですが、お互いの働きに積極的に協力する場合において、一体なるお一人の神さまでおられます。
2.各位の働き(救いに対する働き)
位 | 救いの働き |
父 | 計画 |
子 | 成就 |
聖霊 | 適用 |
3.三位一体なる神さまについての聖書における証拠
旧約聖書の書かれたヘブライ語では神さま御自身のことを「われわれ」という複数形の代名詞で表されています。
[ そして神は、「われわれに似るように、われわれのかたちに、人を造ろう。そして彼らに、海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、地をはうすべてのものを支配させよう。」と仰せられた。](創1:26)
イエスさまが水のバプテスマを受けられたとき、父と子と聖霊が一致してその仕事に共に参加されました。
[ こうして、イエスはバプテスマを受けて、すぐに水から上がられた。すると、天が開け、神の御霊が鳩のように下って、自分の上に来られるのをご覧になった。また、天からこう告げる声が聞こえた。「これは、わたしの愛する子、わたしはこれを喜ぶ。」]
(マタ3:16~17)
イエスさまが弟子たちに、父と子と聖霊の名によって、バプテスマを授けるように命令されました。
[ それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、]
(マタ28:19)
パウロの祝福の祈祷は、三位一体の神さまのことを決定的に明らかにしています
[ 主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが、あなたがたすべてとともにありますように。]
(Ⅱコリ13:13)
* ”神”を現すヘブライ語は”エロヒーム”でありますが、この語尾の”イーム”は複数形なので、”神”は複数だと分かります。
しかも唯一性が強調されています。
複数=1、なのです。
これは理性が納得しないのです。しかし、御言葉であるので信仰をもって受け取るのです。
神さまの真理は、不完全な私たちの理性に合う筈もないのです。
もし、聖書の宗教が人間によって作られたものであるなら、もっと理性に合うものを作り上げたでしょう。
しかし聖書の宗教は「神」から来たものです。
♪ Praise Time 賛美 「SHOUT TO THE LORD」をどうぞ
【考えましょう】
三位一体の神さまは本質的には、お一人でありますが、各位の働きが異なります。すなわち、父なる神さまの永遠の意志によって子なる神さまは救いを完成され、助け主聖霊さまはイエス・キリストを証し
とすることによって、私たちに救いを適用してくださいます。
1.あなたは神さまが御言葉ですべての宇宙万物と人間を創造されたことを心から信じますか。また、造り主なる神さまがすべての世界の歴史を主管し、そのうえ、あなたの一生を具体的に統治しておられる事を信じますか。
2.三位一体なる神さまがあなたの生活の中でどのように働かれるか具体的に
書いてみましょう。
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