捕囚の開始と段階
バビロン捕囚は一度に起こったのではなく、3回の段階で行われました:
- 第1回捕囚(前597年) – エホヤキン王の時代
- 王、貴族、職人など約1万人が連行される
- 聖書箇所: 列王記下24:10-16
- 第2回捕囚(前586年) – エルサレム陥落
- ネブカドネツァル王がエルサレムと神殿を破壊
- 大規模な捕囚
- 聖書箇所: 列王記下25:1-21、エレミヤ52章
- 第3回捕囚(前582年頃) – 小規模な追加捕囚
- 聖書箇所: エレミヤ52:30
捕囚の終わり
- 前539年 – ペルシャのキュロス大王がバビロンを征服
- 前538年 – キュロスの勅令により帰還が許可される
- 聖書箇所: エズラ記1:1-4、歴代誌下36:22-23
捕囚期間
約50-70年間(前586年〜前538/516年頃)エレミヤ25:11-12、ダニエル9:2参照。
主な聖書箇所
捕囚に至る経緯
- 列王記下24-25章 – 捕囚の歴史的記録(エルサレム陥落、神殿破壊、ゼデキヤ王の悲惨な末路など)。
- 歴代誌下36章 – 捕囚の要約
- エレミヤ書 – 捕囚の預言と実現(特に29章、52章)
捕囚中
- エゼキエル書 – エゼキエルは捕囚民の中で預言(前597年の第1回捕囚で連行された)
- ダニエル書 – ダニエルもバビロンに連行された若者の一人
- 詩編137編 – 「バビロンの川のほとりで」捕囚民の嘆き
- 哀歌 – エルサレム陥落を嘆く詩
帰還
- エズラ記 – 帰還と神殿再建(前538年〜)
- ネヘミヤ記 – エルサレムの城壁再建(前445年頃)
- イザヤ書40-55章 – 第二イザヤによる帰還の預言と慰め(異教の王キュロスを「神の器」と預言した稀有な箇所。)
捕囚後の展開

神殿再建
- 前520-516年 – 第二神殿の完成
- 聖書箇所: エズラ記3-6章、ハガイ書、ゼカリヤ書
重要な変化
捕囚後のユダヤ教は大きく変化しました:
- シナゴーグの発展 – 神殿なしでの礼拝形式
- 律法の重視 – トーラーの学びと朗読の確立
- ラビ的伝統の萌芽 – 後のユダヤ教の基礎
- メシア待望の強化 – ダニエル書の「人の子の幻」(7:13-14)など、終末論的思想が深化
これが、「54区分のバビロニア方式」が捕囚後に発展した背景です。神殿での犠牲礼拝に代わって、トーラー朗読が礼拝の中心となったのです。
まとめ
- 時期:前597~前538年(実質的な捕囚は前586~前538年)。
- 聖書箇所:列王記下24-25章、エレミヤ書、エゼキエル書、ダニエル書、詩編137篇、エズラ記1章が核心。
- 神学的影響:ユダヤ人のアイデンティティと終末論の転換点。
捕囚は「神殿の喪失」という危機を経て、聖書の正典化やディアスポラ(離散)の共同体モデルを生み出した歴史的分岐点でした。



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