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「新年」と聞くと、多くの日本人は1月1日を思い浮かべるでしょう。しかし世界には、まったく違うカレンダーで新しい年を数えている人々がいます。今年、2026年9月11日の日没から、ユダヤ暦は5787年を迎えます。
信じている方も、そうでない方も、少しだけこの「もうひとつの新年」に付き合ってみてください。
ユダヤ暦5787年はいつ始まるのか
ユダヤ暦の新年祭は「ロシュ・ハシャナ」(ראש השנה)と呼ばれます。ヘブライ語で「ロシュ」は頭・はじまり、「ハシャナ」は「その年」を意味し、直訳すると「年の頭(かしら)」です。
2026年の日程は次の通りです。
- 開始:2026年9月11日(金)日没
- 終了:2026年9月13日(日)夜(星が出る頃)
- この2日間で ユダヤ暦は5786年から5787年へと切り替わります
ユダヤ暦では、日付は日没から始まります。創世記1章に記された「夕があり、朝があった」という天地創造の記述の順序に由来する考え方です。だから新年も、金曜日の「夜」から静かに始まります。
なぜティシュレイの月の1日が「新年」なのか
ユダヤ暦の月名では、ロシュ・ハシャナは「ティシュレイ」(תשרי)という月の1日にあたります。面白いのは、ティシュレイは暦の上では実は「7番目」の月だということです。1番目の月ではないのに、なぜここが新年になるのか。
これは聖書レビ記23章やみ数記29章に記された「ラッパを吹き鳴らす記念日」に由来します。新改訳2017を参照すると、第七の月の一日に、聖なる会合として角笛(ショファール、שופר)を吹き鳴らす日を守るようにという指示が記されています。つまり本来は「収穫と労働の暦」の中の一つの聖なる日だったものが、後のユダヤ教の伝統の中で「新年」としての意味合いを強めていきました。
この日はまた「テルーア」(תרועה、雄叫び・ラッパの音)の日とも呼ばれ、ショファールの音が鳴り響くことが最大の特徴です。
信じていない方へ——文化としての新年
宗教を信じているかどうかに関わらず、ロシュ・ハシャナには普遍的に共感できる部分があります。それは「一年に一度、立ち止まって自分を振り返る日」という発想です。
丸いパン(チャラー)を蜂蜜に浸して食べる習慣は、「来年が甘い年でありますように」という願いを込めたものです。リンゴを蜂蜜につけて食べるのも同じ意味です。派手な花火や乾杯ではなく、「静かな内省と、来年への願い」から新年が始まる。これは日本の除夜の鐘や、大晦日に一年を振り返る感覚とどこか似ています。
信じている方へ——「裁きの日」としてのロシュ・ハシャナ
ユダヤ教の伝統では、ロシュ・ハシャナは単なるお祝いの日ではなく、「神が全人類を裁かれる日」とも理解されてきました。ここから10日間の「悔い改めの十日間」が始まり、ヨム・キプル(贖罪の日)で頂点を迎えます。
これは聖書全体を貫くテーマ、すなわち「神との関係を見直す機会が与えられている」という考え方につながります。ショファールの音は、警告であると同時に、まだ扉が閉じていないという希望のサインでもあります。ラッパの音を「終わりの合図」ではなく「立ち返るための呼びかけ」として聞く。この視点は、新約聖書における悔い改めの招きとも重なる部分があります。
5787年という数字が意味するもの
ユダヤ暦の年数は、伝統的にアダムとエバの創造から数えられています。つまり5787年は「世界創造から5787年目」という意味を持つ、象徴的な数字です。天文学的・歴史学的な年代とは異なる、あくまで信仰的な時間の数え方だという点も、公平に付け加えておきたいところです。
新しい年をどう迎えるか
暦が違っても、「新しい年を前に、何かを見直したい」という気持ちは共通しているのではないでしょうか。
- 今年一年、何を積み重ねてきたか
- 手放したいものは何か
- 来年、どんな一年にしたいか
こうした問いは、頭の中で考えるだけでなく、実際に手を動かして書き出してみると、驚くほど輪郭がはっきりしてきます。
📝 来年の目標を、一冊の手帳に書き留めてみませんか? 今年の振り返りと、来年への願いを言葉にすることから、新しい一年は静かに始まります。 来年用の手帳・ノートを探す →
また、いつもの生活から少しだけ離れて、静かな場所で一年を見つめ直す時間を持つのも良い方法です。
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ロシュ・ハシャナの静けさは、そうした問いに向き合うための、ひとつのきっかけを与えてくれます。9月11日の日没、世界のどこかでショファールが鳴り響く頃、あなたも少しだけ立ち止まって、自分自身の「新年」を考えてみてはいかがでしょうか。




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