私たちはきれいな空気を吸っていると思っています。
けれども、街の空気には目に見えない汚染が漂っていて、知らず知らずのうちに私たちの肺に入り込みます。
同じように、この世の「罪の空気」も目には見えません。
欲・暴力・嘘・無関心――それらが満ちると、心の中の“霊の空気”が汚れていきます。
創世記6章の時代、人の心がそのように汚染されていたと聖書は語ります。
神はその汚染を一掃し、新しい息吹を吹き込むために、洪水というリセットを決断されたのです。
堕落した時代(1–7節)
大洪水を起こさなければならない「原因」が書かれている。
罪の拡大
人が地上に増えると共に、罪も拡大した。
1節 ヘブル語言語
וַֽיְהִי֙ כִּֽי־הֵחֵ֣ל הָֽאָדָ֔ם לָרֹ֖ב עַל־פְּנֵ֣י הָֽאֲדָמָ֑ה וּבָנֹ֖ות יֻלְּד֥וּ לָהֶֽם׃
バイヒー キー ヘッヘル ハアダム ラローブ アルペネ ハアダマー ユバノート ユラドゥー ラヘム
・日本語の誤訳の確認
天地創造時、神は「キー・トーブ」それを良しと見られた、と繰り返された。
この対義語は「キー・ヘッヘル 全く不道徳」と言う意味である。
| ヘブル語読み | ヘッヘル キー | バイヒー |
| ヘブル語 | כִּֽי־הֵחֵ֣ל | וַֽיְהִי֙ |
| ヘブル語の解釈 | 不道徳 実に(全く、とても) | そして~のことでした |
| 新改訳 | 始め~したとき | さて |
| 英訳 | When~began to | And it came to pass |
ヘブル語の定型表現:
| 地に(エト-ハアレツ) | 満たせよ(ウーミッルー) | 増えよ(ウルブ) | 産めよ(ペルー) |
| אֶת-הָאָ֖רֶץ | וּמִלְא֥וּ | וּרְב֛וּ | פְּר֥וּ |
| 「地」を意味する「エレツ」 | 動詞「マレー」の複数命令形 | 動詞「ラーヴ」の複数命令形 | 動詞「パール」の複数命令形 |
主が人口増加を祝福する(創世記9章1節)
1節、2節の言語で確認
| 地上に(アルベネ ハアダマ) | 増える(ラブーム) | ハアダム | |
| עַל־פְּנֵ֣י הָֽאֲדָמָ֑ה | לָרֹ֖ב | הָֽאָדָ֔ם | |
| 沢山生まれる | 男児は | ||
| 2節の並行表現 | ラヘム | ユラドゥー | ユバノート |
| (対句法) | לָהֶֽם | יֻלְּד֥וּ | וּבָנֹ֖ות |
| 同じように | 沢山生まれる | 女児も |
1節では、増える(ウルブ)があるが、産めよ(ペルー)、満たせ(マレー)が使われていない。
また、地(エレツ)の代わりに、アダマーが使われている。
神が祝福する定型表現でないため6章1節の人口増加は、
神様が祝福したものではないことが分かる。
創世記6:2 ヘブル語言語
וַיִּרְא֤וּ בְנֵי־הָֽאֱלֹהִים֙ אֶת־בְּנֹ֣ות הָֽאָדָ֔ם כִּ֥י טֹבֹ֖ת הֵ֑נָּה וַיִּקְח֤וּ לָהֶם֙ נָשִׁ֔ים מִכֹּ֖ל אֲשֶׁ֥ר בָּחָֽרוּ׃
バイイルウー ベネー ハエロヒム エト ベノート ハアダム キー トボート ヘンナー バイイクフー ラヘム ナシーム ミコール アシェール バハールー
| ハエロヒム ベネー | バイイルウー | ||
| בְנֵי־הָֽאֱלֹהִים֙ | וַיִּרְא֤וּ | ||
| (神に造られた)男たちは | 見る(罪の誘惑を象徴) | ||
| トボート キー | ハアダム | べノート エト | |
| כִּ֥י טֹבֹ֖ת | הָֽאָדָ֔ם | אֶת־בְּנֹ֣ות | |
| 魅力的な姿 実に | アダムから造られた | 女 | |
| ナシーム ラヘム | バイイクフー ラ | ヘンナー | |
| 性の乱れ | לָהֶם֙ נָשִׁ֔ים | וַיִּקְח֤וּ | הֵ֑נָּה |
| 女を その | (強引に)関係を持った | they | |
| バハール | アシェール ミコール | ||
| 性の乱れ | בָּחָֽרוּ׃ | מִכֹּ֖ל אֲשֶׁ֥ר | |
| 自分のものにした | 誰彼となく |
ヘブル語言語の記述形式:6章の1節は結果、2節は理由、になっている。
神の悲しみ
- 「主は心を痛められた」――神は無感情ではなく、愛ゆえに悲しむお方。
- 人の心の「思い計ることがいつも悪い」状態。
- 神は悪を放置せず、正義に基づいて裁きを宣告
6:3に出てくる120年の意味は洪水前の恵みの時間である。
6:4のベネ エロヒム( בְנֵי־הָֽאֱלֹהִים֙)はネフィリム(ה:נפלים )の代用語である。
ネフィリム(ה:נפלים )は「悪名を馳せた乱暴者」
ベネ エロヒム( בְנֵי־הָֽאֱלֹהִים֙)「神に創られた男→ネフィリム(ה:נפלים )
ラヘム( לָהֶם֙)とは親と同じ(悪い性質を持った子)
ハ・ギボリーム(ה:גברים)とは乱暴者。勇士と言う意味もあるが文脈ではこれ。
ハ・シェム(ה:שם )とは「悪名高い」
義人ノアの登場(8–12節)
9節 ノアの特質
- 「ノアは主の心にかなっていた」
- 「ノアは義人であった。時代の中で全き人であった。」
- 「ノアは神とともに歩んだ。」
これらは、エノク(5:24)の信仰を継承している。
どんな時代でも、神との歩みを選ぶ人を神は見逃さない。
11節 世の暴虐
- 「地は暴虐(ハマ-ス חמס )で満ちていた」
- 社会的・道徳的崩壊の象徴。
- 神の秩序に背を向けた人間の自己崩壊。
信仰は環境によって決まらない。
堕落した社会の中でも、神を敬う者は生き方で光となる。
箱舟と救いの計画(13-22節)

13節 神の裁きの宣言
神は、地に満ちた暴虐のために、すべての人と生き物を滅ぼすことを決意し、
大洪水(ה:מבול)ハ・マブールを起こすことをノアに告げました。
全世界を覆った特別な大洪水である。
この水源は、天地創造の2日目の業にある。
大洪水のことは17節のフットノートに詩篇29:10が記されてある。
14節~ 箱舟の建設命令
神はノアに、自分と家族、そしてすべての生き物の雄と雌を一つがいずつ救うための箱舟(アルク)を造るよう、詳細な指示を与えました。
- 神が救いの手段を「具体的に」示す(寸法・材質まで詳細)。
- 箱舟は「救いの象徴」、後のキリストの型(Ⅰペテロ3:20–21)。
| 寸法 | キュビト | 換算(45 cm/キュビトの場合) |
| 長さ | 300キュビト | 300×0.45 m=135 m |
| 幅 | 50キュビト | 50×0.45 m=22.5 m |
| 高さ | 30キュビト | 30×0.45 m=13.5 m |
実際の建物・構造物との比較
長さ135m サッカーフィールド: 105m(国際規格)より約30m長い
幅22.5m 6車線道路: 1車線: 3.5m
高さ13.5m 4~5階建てビル: 一般的な建物(1階=約3m)
箱舟は、サッカーフィールドよりも長く、4~5階建てのマンションの高さがある、巨大な長方形の建造物でした。体積にすると約40,950立方メートルで、これは現代の大型貨物船に匹敵する収容能力です。
木造でこれほどの規模の船を紀元前に建造したとすれば、驚異的な工学技術だったと言えるでしょう。
創世記6章のまとめ:
創世記6章は、神の義なる裁きとあわれみによる救いという二つのテーマを提示しています。
裁き:増大した人の悪と罪に対して、神は裁きを下すことを決定されました。神は罪や悪と共存できない、聖なるお方であることが示されています。
恵みと救い:すべての人を滅ぼす中で、神はノアを選び、彼とその家族、生き物を救う道を恵みによって備えられました。ノアの救いは、神の命令に従う信仰によるものでした。
この箱舟による救いは、後にイエス・キリストによる救いの予型(型)として捉えられることもあります。ノアが神の命じる箱舟によって救われたように、私たちはキリストによって与えられた救いの道(教会、バプテスマなどとも関連付けられる)によって救われることになります。
【招き】
愛する兄弟姉妹、そして今日初めて教会のYouTubeに参加された方。
私たちは今、創世記6章を通して、神様がかつての世の「人の悪」を見て、いかに深く心を痛められたか、そして、その罪を裁かざるを得なかった、神様の悲しみと義を知りました。
神様は、私たち一人ひとりの心の中に、今もなお渦巻く欲望や、ご自分から離れて生きようとする傲慢さを見て、深く嘆いておられます。あの時、世の悪が頂点に達したように、私たちもまた、いつか神の裁きに直面する危険を抱えて生きています。
しかし、この暗い物語の中で、一筋の光がありました。それは、ノアが「主の前に恵みを得た」という言葉です。
ノアは完璧な人だったから救われたのではありません。彼は、まだ何も目に見えない時、雨の予兆さえなかった時に、ただ神様の言葉を信じ、その指示に従って箱舟を造り続けた、信仰のゆえに救われました。ノアの信仰こそが、神の恵みへの唯一の応答でした。
私たちが生きるこの時代にも、神様は同じように「救いの箱舟」を備えてくださっています。
それが、イエス・キリストです。
ノアの箱舟が水(裁き)の上を漂い、彼らを安全な場所へ運んだように、イエス・キリストは、ご自身の十字架の死と復活を通して、私たちの罪と神の裁きから守り、私たちを永遠の命へと導く唯一の道、唯一の箱舟となってくださいました。
今、この場所で、神様はあなたを招いておられます。
あなたの中にある罪を認め、悔い改め、神様との関係を修復したいと願う方。
ノアのように、神の言葉を信じ、この「救いの箱舟」であるイエス・キリストの中に避難したいと願う方。
今こそ、神の恵みに応答する時です。どうぞ、この招きに心を向け、席を立ってくださっても結構です。私と一緒に、神様にあなたの罪を告白し、救いの祈りを捧げましょう。
「主よ、私は罪人です。どうか、私をあなたの箱舟、イエス・キリストの救いの中に入れてください。」
祈ります。
「天の父なる神様。
今日、あなたのみことばを通して、あなたの愛と救いの計画を知ることができました。
どうか、ここにいる一人ひとりが、あなたの招きに応え、
キリストという救いの箱舟に入ることができますように。
あなたとともに歩む人生を選び取ることができますように。
イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。」
もし今日、「イエス・キリストを自分の救い主として信じます」と告白したい方は、
黒部カリスアガペー教会のHPへ書き込むか、電話をして来てください。
年齢は関係ありません。
若い方も、人生の後半の方も、神様の招きに年齢制限はありません。
「でも、自分は罪深すぎる」と思っている方、
まさにあなたのためにキリストは来られたのです。
「でも、まだ準備ができていない」と思う方、
完璧になってから来る必要はありません。
あなたのそのままで来てください。
今日が、あなたの人生の転換点となるかもしれません。
神様は、今、あなたを招いておられます。
どうぞ、告白してください。



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